2017年8月8日火曜日

本:これから始める人のための エアライフル猟の教科書


 自分は鹿中心なので、エアライフルには興味がありませんが、一応読んでみました。
 細かい突っ込みどころなど。

P44
>申請を猟友会に代行してもらう場合は、申請書類や狩猟免状、損害賠償能力を有することの証明書(ハンター保険、狩猟者共済)の処理もすべて行ってくれるのでとても楽ちんです。

 ハンター保険、狩猟者共済という言葉が並列で出てきますが、狩猟者共済とは何ぞやという説明がありません。
 はじめての人が読んだら意味が分からないのでは。


P56 カモが看板を持っているイラストの「REFUGE」の意味が分かりませんでした。
 避難という意味らしいです。
 前作より英語の乱用、英語カッコイイという雰囲気は減りましたが、ここに残っていました。


P79 エアタンクに検査が必要なことと、値段が書いていない。
http://www.air-service.jp/page/tank.html
 タンクは新品で5万円、5年毎の検査は1.3万円、チャージは1回1500円程度かかります。


P150 スプリング式ライフル
 ダイアナM50という廃盤品の紹介のみ。
 シャープと違い、海外では色々売っているのだから、せめて現行品を紹介するべきでは。
 Air Arms TX200(Weihrauch HW 97)がフィールドターゲット競技では上位に入っている。
https://airgunaccuracy.wordpress.com/field-target-equipment-at-the-2015-world-championships/

 大手通販のピラミッドエアのスプリング式
http://www.pyramydair.com/a/Air_guns/Air_rifles/Spring_piston_air_rifles/Pellet_rifles/375


P175 バイクで流し猟
 フロントフォークやリアキャリアの横、ズーマーのシート下への収納例を挙げているが、スコープが狂わないのか?
 実際の所は分からないが、ちょっと不安に感じる。


P182-183
 サーマルビジョンとレンジファインダーを紹介しているが、エアライフルの教科書としては、レンジファインダーが先なのでは。
 サーマルビジョンの説明に「残念ながら遠くにいる鳥の体温を感知できるような高性能のサーマルカメラは現在のところ市販されていません」と自ら書いてある。


P191 装備
>銃砲店には山の中で移動がしやすいように指先が二股に分かれたハンター足袋も売っておりオススメです
 普通のスパイク地下足袋では?狩猟用より林業用で売れている数の方が多いのでは。

>また、山の中で座れるようにお尻に引敷(ひっしき ヒップガード)と呼ばれるウレタン製のプロテクターを付けておきましょう。寒い山の中で長時間地面に座っているとお腹が痛くなので集団猟には必需品です。

 前作では 空気を入れて膨らむクッションシートタイプと書いていました。
 今作で言うウレタン製のプロテクターが、具体的な商品名が何でどこに売っているのか、いまいちイメージしにくいです。


P194 ナイフ
>山の中に入っていく集団猟ではサバイバルナイフや剣鉈といった、刃渡りが20cm以上ある大型のナイフを持っておきましょう。

 エアライフル猟は鳥が主体なのだから、そんなに大型のナイフは要らないのでは?


P195 ナイフの鋼材
>ハンドメイドナイフの材料は車のパーツなどにも利用される板バネを使います。
>板バネの素材は色々ありますが、ATS-34と呼ばれる鋼材が人気で、3000円ほどで通販されています。

 板バネもATS-34もナイフの鋼材としてありますが、イコールではないのでは?


P219 依託射撃
>銃を預ける物は、木の股やガンポッドと呼ばれる一脚や二脚の道具を使います。
 
 ガンポッドという名称は一般的ではないような。
 まとめてレスト(Rifle Rest)かShooting Sticksでは。
 一脚(モノポッドmonopod)二脚(バイポッドbipod)三脚(トライポッドtripod)四脚(クアッドポッドQuadPod)などあります。

>もしバイポッドがなければ、ナイフを地面に突き刺してグリップの上に乗せても良いでしょう。
 ナイフを突き刺すより、ザックに委託するほうがメジャーでは。

P397 あとがき
>「ばかばかしい」と思われるかもしれませんが、現代社会においてこれほど簡単に『承認欲求』を満たせることは狩猟以外にありません。

 ~にありません。と言い切られても。それはそんなに一般的な考えじゃないと思う。

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 エアライフルの所持期間は、装薬ライフルの所持期間にカウントされないと一言も書かれていないのも違和感があります。


【利点】
・装薬銃に比べて危険なイメージが一般的に少なく、家族等の反対が少なめ
・弾の管理が楽で、装弾ロッカーが必要ない
・弾代が安い

【欠点】
・集団の巻狩りに参加できない
・鹿など大型の動物を対象にできない
・動いている鳥も狙えない
・ライフルまでの所持期間にカウントされない
・エアタンクを使う場合、検査や充填費用がかかり、銃自体もOリングなどメンテナンス費用がかかる。
・PCPエアライフルは銃自体が高い(装薬銃より高いこともある)

 装薬の散弾銃の方が、使える場面は多いと思います。
 イノシシやシカを獲りたい、ライフルを持ちたいとちょっとでも考えている人は、多少ハードルがあっても装薬銃を所持することをおすすめします。

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