2018年5月20日日曜日

狩猟による収入

 昨シーズンの有害鳥獣駆除、管理捕獲の実績報酬を受け取りました。
 これまでも3000円ぐらいの報酬を貰ったことはありますが、1万円以上というのは初めて。

1年目の夏 狩猟免許、銃を取得
1年目の冬 狩猟のみ
2年目の春 有害に参加見込みだったが、転勤でリセット
      新しい土地では、初年度は有害に参加できないルール
2年目の冬 狩猟のみ
3年目の春 有害や管理捕獲に参加
3年目の冬 狩猟。税が半額になる
銃の更新  有害に参加していたので技能講習は免除
4年目の春 現在。有害期間だが、仕事や家庭が忙しく、あまり参加できていない
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 有害鳥獣駆除に参加することで、狩猟税が半額になり、銃の更新でも技能講習が免除されたのはありがたいです。

 区切りなので、これまでに掛かった費用を計算してみました。

【初年度】
 7万円 猟銃の所持許可(問題集、診断書、手数料、教習射撃など)
 2万円 狩猟免許(申請、診断書、予備講習)
18万円 中古銃、銃ロッカー、弾ロッカー、狩猟装備
 4万円 狩猟税、猟友会費、保険

31万円 初年度合計(弾やガソリン代除く)
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【2年目以降の毎年の経費】
1.8万円 狩猟税(半額)と猟友会費
0.7万円 3年ごとの銃と狩猟の更新費用1.5万円を1年分に分割
3.1万円 狩猟と射撃場に行くガソリン代、射撃場使用料(毎年)
6.4万円 狩猟車の維持費(税金、任意保険、車検、タイヤ代などの年割)
ここまでで既に12万円。

 弾にしても、スラッグ1発250円を300発使えば、それだけで7.5万円です。
 サボットで1発500円×300発なら15万円。

 弾の消費量や出猟回数、車の有無などで変わりますが、支出は年間15~30万円ぐらい。
 こうやって一覧にすると、車の維持費と弾代が大きいです。
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 15~30万円を補えるほど、銃猟で頭数が獲れるか?
 出猟のたびに1頭以上捕獲できればいいのでしょうが、0頭の日もあります。
 巻き狩りでは6人で1頭という日もあります。

 散弾銃のスラッグやサボットでは距離や精度の限界もあるので、なかなかクリアするのが難しいハードルと言えるのでは。

・家のすぐ裏に鹿がいる
・ライフルを所持している
・時間に融通が利く職業
 という、北海道の採草放牧地あたりなら、話はまた変わってくると思いますが…
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 有害の報奨金以外に肉を売るにしても、条件があります。

・横隔膜から下の消化器を撃たない
 場所選びや歩き方、射撃の腕も含め、スラッグやサボットで可能か

・処理場まで2時間以内
 林道脇ならともかく、徒歩30分以上の場所から、鹿1頭を担いだり引っ張ったりして下ろせるか。
 引きずってぶつけると内出血を起こしたり、毛皮に穴があき衛生的にNGで買い取ってくれない場合もある。
 血抜きはOKだが、内臓摘出すると買い取ってくれないので、運ぶのは重い。

・処理場が受け入れてくれる
 罠猟の人が先に搬入すると、処理場の一日の能力から、受け入れてくれない場合がある。

 単独銃猟には条件が厳しいです。
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 罠猟であれば、捕獲数や肉の販売は違ってくるのかもしれません。
 自分は罠の手伝いはたまにしていますが、自分の罠を持っていないので、消耗率や費用、労力については未知数です。

 それにしても「毎日見回りにいける勤務体系」が前提条件になります。
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 あまり稼ぐと確定申告の心配をしなくてはいけないかもしれません。
 雑収入の場合、売上から仕入れや経費を除いた所得が20万円を超えると、確定申告が必要らしい。
 週末のレジャーハンターでは、そこまでいくのは難しいでしょう。

 報償を得たとしても、経費もそれなりにかかりそう。
 将来的に色々突っ込まれるかもしれませんので、レシートなどは保管しておき、経費を整理しておきたい。

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 今現在、5万円分ぐらい、銃関係で欲しい用品があります。
 トータルでプラスになるのは、定年退職して毎日出かけられるようになってからか、一生無理なんじゃないかという気がしてきました。

 家計に負担をかけずに趣味が続けられるのが理想ですが、話のオチとしては、趣味としての狩猟に、損得を持ち込むのは無理があるということになりそうです。

 報奨金と肉販売で生計の足しにするセミプロハンターを本気で目指すのであれば、また違ったアプローチがあるかもしれませんが、住宅の立地や自由に使える時間などの条件が揃わないので、そこまで真剣に考えられません。

 近年の狩猟ブームで「狩猟で稼ぐ」と考える人がいるかもしれませんが、これが自分の場合の現実です。


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2018年5月29日追記

 Twitter上で銃検後に手放す若い人の話題があったので、内訳を書いてみます。

【毎年かかる費用】
18250 狩猟税(全額の場合。有害をやっていれば半額)
10000 猟友会費と保険(所属によって金額は異なる)
    4月頃の銃検査は無料だが、平日実施なので仕事を半日休む必要がある。
弾代、射撃場利用料、出猟時のガソリン代はそれぞれ。

【3年ごとにかかる費用】
 3000 経験者講習
11200 猟銃所持許可の更新手数料(2丁同時の場合)
 2000 診断書(金額は医院によって異なる、銃の更新時に必要)
 2900 狩猟免許の更新手数料(1種類の場合、2種類なら2倍)
12300 技能講習の書類手数料(有害をやっていれば免除)県によって違うかも。

 銃の経験者講習で1日、診断書で半日、銃の更新手続き半日、技能講習で1日、狩猟の更新で1日の休みが必要。

 ゴルフでいきなりコースに行っても思い通りにならず、楽しめないように、まずは打ちっ放しで練習する必要があります。
 銃も実猟に行く前に、弾代を使って練習する必要があります。
 クレーなら弾が100発4000円と、クレー代が1皿40円
 スラッグなら射撃場利用料2500円と、弾が1発200~500円。
(価格は射撃場によって異なります)

 銃は射撃場か実猟でしか使えず、撃った経験を積まないと上達しません。
 使う場所が限定されるという意味では、レース専用の車やバイク、エンジン式のラジコンなどに似ています。

 猟場選び・出猟回数・出会うまでの過程・獲物の見つけ方・射撃精度など、それぞれの因子を掛け算していった結果が、獲物の数になります。
 狩猟に行っても、獲物を1頭を見ない日もありますし、見ても撃てない日もあります。

 猟場選び、山歩き、猟友とのコミニュケーションなども含め、過程を楽しむ余裕がないと、趣味として長続きしないと思います。
 肉だけを目的とするならば、罠猟をやっている人と繋がりを持ち、運搬や解体を手伝い、肉を分けてもらう方が確実です。



 自分の場合、幸いな事に、引っ越してから2年目から参加できました。
 有害鳥獣駆除として捕獲圧力をかけるべき被害の大きさや、危険防止のための猟隊や単独入山の場所調整、罠と銃の関係などコーディネートの難しさはあります。
 若手にとっては猟期以外で狩猟の経験を積めるますし、技能講習の免除や、狩猟税が半額になるなどのメリットがあります。
 デメリットとしては、業務なのでアマチュア無線が使えず、デジタル簡易無線になる点。
 「有害鳥獣駆除に参加したいができない」という人材のマッチング不足は、潜在的にあると思います。

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