例によって、細かい点に突っ込んでみます。
P17 狩猟に割ける時間も考慮しよう
>とくにわな猟は一日一回の見回りが必須なため、毎日狩猟に時間を割ける人でないと厳しい。
>ほかや休日のみの狩猟であっても、複数人で動くときは丸一日かかることもある。
この記述があるのは好印象。
狩猟に興味があるが、銃は危険というイメージでわな免許を受験する人がいるが、都市部に住んでいると罠猟はできず、ペーパー免許になりがち。
P41狩猟免許
>かつては1年に数回だけだったが、ハンターの増加が求められている昨今、年に7~8回も開催するところもある。
「これから始める人のための わな猟の教科書」にもあったが、本当にそんなに多いのかな。
そのうち確認し、まとめてみたい。
P62 銃の購入
ガンケースの写真がハードケース。
ソフトケースについても言及するか、写真があればより良いのでは。
P63 初心者におすすめの銃
>ウィンチェスターSX3ブラックフィールド
>スラッグ弾用の銃身が付属している
カンチレバーのサボット銃身では。
P161との整合性が取れない
P70 狩猟に必要な野外ツール
尻皮は、これからはじめる人にとって、必要ない装備だと思う。
巻き狩りで長時間待つとか、雪上での狩猟をやるのが分かってからでもいい。
P71 ナイフ類
ナイフ バック110を一番上に持ってきて薦めているが、思い入れが強すぎないか?
7千円もするし、汚れたときの手入れが面倒だし、最初の一本としては薦めにくい。
2番目に紹介されているモラナイフが初心者には手頃で、万能に使えると思う。
以降の刃物類すべてに言えるが、写真の下に品名を書いて欲しい。
スキナーとして背に刃があるナイフの写真がある
自分も使っているし、「中から開くジップナイフ,ガットナイフ一覧」でまとめたこともあるなど、便利なことは分かるが、一般的な幅広で先が尖っておらず、カーブしているスキナーの方が一般的。
鉈の例として、ウナギ鉈の写真を使うのもちょっと。
普通の角鉈の方が、イメージが伝わりやすい。
猟場や狩猟スタイルにもよるが、必須装備ではない。
砥石に関しての記述が、本の中に1つも無い。
解体で鋸が出てくるが、鋸の選び方についての話が無い。
自分は折りたたみの細目を使っていますが、パイプソーを使っている人もいます。
普通の刃の粗さだと、骨は切りにくい。
肉を運ぶポリ袋を紹介するのなら、解体時に使うゴム手袋も入れるべきでは。
P72 小物類
> ライト 両手で作業ができるよう、頭に装着できるヘッドライトが望ましいが、手元だけの簡単な作業であれば、ペンライトでも可
~の教科書よりまともな記述。
何か作業するのに、片手が塞がれるペンライトはどうかと思うが…。せめてクリップ付とか。
P73 緊急医療キット
ポイズンリムーバーは入れないのか?
P74 地図の読み方を知る
国土地理院の地図を大きな書店やオンラインで購入すると紹介しているが、カシミール3Dから印刷する方が、今となってはメジャーだと思う。
P93 銃猟の服装と必要装備
フィールドポッド(バイポッド)が紹介されているが、ある程度猟場が分かってから必要か判断する物で、スタート時には必要ない。
P105 おもな照準器と見え方
照星のイラストで、リブが描かれておらず、写真が整合性がとれない。
P111 銃を撃つことができる場所
斜面(バックストップ)がある場合、水平撃ちがOKとされているのは良い。
狩猟読本などでは「水平撃ちは禁止」としか書いておらず、言葉足らずな印象があった。
P124 鉛弾が使用できない地域
>北海道では鉛弾が流通していないものの、規制の無い本州で入手してそのまま持ち込んで使用する悪質なハンターがいるため、猛禽類の鉛被害は現在もなくなっていない。
鉛弾は射撃場では使えるので、流通していないとは言い切れない。
猛禽類は渡りでロシアには行かないのか?
平成26年(2014年)から所持規制もあるので、そんなに使っている人はいないと思うが。
P131 散弾銃の種類を知る
ボルト式の散弾銃について触れられていない。
上下二連のデメリットとして「重く、取り扱いづらい」とあるが、そうか?
機関部がシンプルな分、軽いイメージがあった。
P133 散弾銃の弾の種類
8.6mm弾(OOB)
この数年の自粛について触れられていない
P159 ライフルを知る
サボットスラッグ弾のイラストに、サボットが描かれていないように見える
日本の法律上微妙な扱いだが、ライフルが原則として10年経たないと狩猟に使えないのに比べ、ハーフライフルは散弾銃であり、1年目にももてる。
散弾銃として扱うべきでは。
P163 狩猟に適した車
軽トラック、デッキバン、ジムニー、ランドクルーザーが文字で紹介されているが、写真がFJクルーザー、古いデッキバン、タウンエーストラックで整合性が無い。
P185 エアライフルでも銃止めが可能?
>大型獣でも有効。ただし10メートル前後まで獲物に近づかなければならない。また肩甲骨を撃ち抜く威力はないため、耳や目を正確に狙う必要があり、高い技術が必要。
~の教科書より詳しい印象だが、弾の大きさや発射速度などの威力についての言及が無い。
P186 頭に衝撃を与える叩き止め
後頭部の図解が分かりやすい。
P188 フクロナガサとしてコールドスチールのブッシュマンの写真があるが、品名を書くべきでは。
P189
>フクロナガサに柄を差し込んで槍にする。このとき、柄の先端に切れ込みを入れておけば、刺したときに切れ込みが広がって筒の中で固定されるため、ネジで止める必要が無い
「刺したときに切れ込みが広がって」がイメージしにくい。
金属の筒の中にある木の棒が、そんな動きをするか?
刃先に向かって細くなっている筒なら、むしろ切れ込みが狭まるのでは。
P223 おもな感染症と原因・症状
ダニが媒介するSFTSについての言及が無い。
解体時のゴム手袋について、文章ではP222で触れられており、写真でも装着しているが、単体での写真やイラストが無い。
尻皮やバイポッドより必須だし、使う場面が多い。
章の最後にポイントとして「獲物を動かすとき、素手では触らない」とあるのなら、章の始めに書くべきでは。
解体道具として、P71のナイフへの言及も欲しい。
P239 出典・写真提供
見覚えのある写真があったが、こういった資料から提供というかコピペしているのか。
全体的には「これから狩猟を始めよう」という人にとっては良いのでは。
実際に銃を持てば、これでは不足になるだろう。
ネット上の情報が多い時代だし、P239の出典を一通り見れば、違った情報も得られる。
もし自分が狩猟を始める前だったら、買うまでも無いが、図書館で一度見ておくと安心するぐらいの位置か。
見開き2ページで収める都合もあり、説明が不足している部分もある。
リンクが張れ、情報を追加可能、基本無料というウェブ文化に馴染むと、紙ベースの本はだるい事もある。
0 件のコメント:
コメントを投稿