2018年8月14日火曜日

競技と実猟のバランス

 射撃大会に参加しましたが、疑問に思う部分がありました。

 猟友会ルールなので、このようなルールがあります。
 実猟に近い想定のルールにしているようです。

・裸足で膝射(座射)をしている人がいました。
 しっかりと地面と接したほうがブレないのかもしれませんが、実猟ではありえないのでは。

・10分間で10発
 ある意味、ゆっくりの間隔です。
 普段のペースで撃つと、5分もかかりません。
 しかし、10発も連続で撃つと、銃身が暖まってしまいます。
 コールドバレルから発射される1発目が重要な狩猟とは、ちょっと意味合いが違ってきます。
 ヘビーバレルが有利になるような状況は、実猟から遠ざかるのでは?

・トリガーの重さが1.5kg以上
 ランニングターゲットやバイアスロンでは、0.5kg以上の重さというルールです。
 事故防止のためトリガーを重くするという意味は分からなくもないですが、移動中や藪漕ぎでは脱砲し、薬室を空にすればいいのでは。
 射撃に適しており、なおかつ安全という重さまで下げるべきでは。

・グリスの塗布
 会場で、これも実猟から離れているのでは?という話題がありました。

・パームレスト、滑り止め、射撃グローブの禁止
 狩猟銃として法的に許可が下りる形状であれば、特に問題ないのでは。
 「銃を持って猟野を歩けるか」という視点だと、射撃用コートや靴が禁止されるのは分かります。
 「紙やすり等の滑り止め加工禁止」にしても、それぐらいで実猟の成果が上がるのなら、施工してみたい。
 チェッカリングの延長線上であり、競技でしか使えないものではないのでは。

・サムホールの禁止
 実際問題として、装薬銃のサムホールは許可が下りない県がありますが、明文化されていないグレーな部分。
 猟友会として厳しい方向に乗っかる必要はないですし、サムホールとして所持許可が出ているのなら、出場を認める方向で対応すべきでは。


 競技向けに特化すると、特殊な装備を持っている人が有利であったり、実猟からかけ離れていく傾向があります。
 猟友会主催であるのなら、「実猟の練習」という視点を忘れないで欲しい。
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 クレーで満射前提でミスしたら負けとか、射撃で10点が当然で、9点は失敗などの話を見ると、それは競技として狭く深くなっていやしないか?という印象を受ける。

 エアライフルであればフィールドターゲット競技の方が、より実猟に近い。
 射撃にしか使えないコートを着た時点で、興味が無くなる。
 巨大なフォーカスホイールやパームレストなど、やや狩猟と離れてきている部分はあるが、まだ担いで移動できる余地は残っている。

 どんな競技にも言えるが、ルールの細かい部分で競われても「それで?」と冷める。
 自ら作ったハードルを越えても、その分野が詳しくないと楽しめない。
 例えるならば、クリケットの面白さが分からないようなもの。

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 自分の場合、クレーで満射する人より、CPUEが高い狩猟者とか、年間200頭以上獲っている罠猟師さんの方が凄いという印象を受ける。

 どちらが優れているとか劣っているとかではなく、バイクのレーサーとツアラーのような方向性の違い。
 レーサーや荷物がつめない車両より、ツアラーや街乗りしやすい車両が好み。

 射撃用コートは、ナンバーが無い車両に似ている。
 時速300キロ出る車やバイクは機械的に凄いと思うが、お金があっても買わないだろう。
 100万円するベレッタDT11は、全く欲しいとは思わない。
 そんなお金は無いけど、40万円の銃とスコープに、60万円分の練習費用の方がいい。

 静的射撃やランニングターゲットは面白いし、技術向上に繋がるが、競技として極めたいとまでは思わない。

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