下草にアザミ、マツカゼソウ、シロヨメナなど、鹿が嫌いな植物が目立つ地域です。
苗木を植栽しても、鹿に食べられてしまうため、植栽するにあたっては鹿柵が必須だとか。
小さい植栽地で鹿柵を張る手伝いに行って来ました。
食害を受けたヒノキを杭代わりにして、鹿柵を立てていきます。
こちらも食害を受けたヒノキ。
木としては生きていますが、腐りや変色が入るため、木材としての価値は下がってしまいます。
苗木の全滅などは別にして、林業的な被害は金額を算定しにくいため、鳥獣被害統計には表れない部分もあると思います。
Facebookの動画
杉をムシャムシャと食べています。
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鳥獣対策の研修会で聞きましたが、臭いの強い植物などで苗木を囲っても、あまり効果は無いようです。
優先順位の餌資源があれば執着するし、嫌いな植物は食べない障害物であって、嫌いだから逃げるものではないとか。
臭いや味で残る植物にしても、本当に餌資源がなくなれば食べることもあります。
北海道の洞爺湖の中島が有名ですが、落ち葉すら餌としています。
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鹿柵の中と外。
それなりの年数が経った鹿柵です。
鹿柵内はススキ原になっています。
食害が酷く表土が流出するなどはしていませんが、森林として成立していません。
木を育てるためにはススキを刈って苗木を植え、ススキの高さ以上になるまで下刈などをしなくてはいけません。
昭和40年あたりまでの拡大造林の時代に作られた人工林を、そろそろ伐採する時期に来ています。
(林業白書:人工林の齢級構成)
「鹿柵がないと植栽しても無駄」という状況の中で、どうやって更新していくのかが課題です。
かつては架線(ワイヤー)を張って木材を搬出していましたが、今では架線を張れる業者は減ってしまいました。
では、キャタピラ式のフォワーダを使って運材できるかというと、出来そうにない急傾斜もある。
伐って放置すれば疎林になるかもしれませんが、それでいいのか。
鳥獣の住みかと餌場という意味で、林業と狩猟は切り離せません。
神奈川県では、「シカ管理と森林整備との連携した実施」がされています。
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