2017年7月7日金曜日

狩猟者の年齢構成とブーム

 2chより
 日本の職人(80)「職人を引き継いでくれる若者がいない」←これwwwwwwww
 http://tomcat.2ch.sc/test/read.cgi/livejupiter/1498501303/
 その若者と職人の間の世代の人たちは何をしていたんですかね…
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 狩猟の世界では60歳以上が65%です。
 そもそも60歳以上の世代に銃所持者が多いのは、狩猟ブームに乗って銃を持った世代だからという面があるのでは。

 ブームと捉えれば、このグラフの凹み方に納得がいきます。

 北海道大学演習林のサイトより
http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/member/Agetsuma/ResDeerdyna.htm
 江戸時代は「農具としての銃」が普及していたようですが、明治から戦後の銃規制により、専業猟師ではない銃猟文化は衰退した。

 その後、1960~1970年代に狩猟ブームがおきたものの、更新の手間や高度経済成長による開発により狩猟鳥獣が減り、ブームが収束したと考えられないでしょうか。
 「全猟」や大日本猟友会の古い会報を見れば、当時の雰囲気が分かると思いますが、そこまでは具体的に調べていません。

 都市部やニュータウン住民による狩猟・銃ブームが過ぎ去り、1980年代からぐっと減少しています。
 銃規制の強化などあったのかもしれませんが、ブームと捉えれば、ごく当然の減少ではないでしょうか。
 ブームによる凸がなければ、20万人程度でゆるやかに推移していたのでは。

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 狩猟に関するシンポジウムなどを開き、若い狩猟者を募るも良いですが、その一方で、今の40代50代の狩猟者がなぜ少ないかという分析をする必要もあると思います。

 そもそも、農山村に住み、農林業に携わっている若い人が、昔に比べて減っています。
 農業では機械化が進んで3ちゃん農業的になり、働き盛りの世代は都市部に就職します。
 鳥獣対策も高齢者が担うままになり、その次の世代はそもそも農村部に住んでいないというパターン。

 高度経済成長が一段落して、公害問題などもあり、バブルやリゾート開発などがあった時代に、10代から20代を過ごした世代が、今の40代50代だと思います。

 最初の2chの話しに戻りますが、山間部や農村では、次世代の狩猟者はそれなりにいて、技術を引き継いでいると思います(あくまで自分の見える範囲での印象ですが)
 しかし、増えつつある鳥獣に対し、対抗できるだけの人数はいません。

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 狩猟免状交付者を増やすのと、実際に動ける有害鳥獣駆除の従事者を増やすのは、似ているようで違う問題です。

 例えば東京に住んでいる人が銃を持ったとしても、趣味の狩猟の範囲で年間3ヶ月で10数回程度、狩猟者登録をした1つの県に行くぐらいです。

 都市部でシンポジウムを開き、狩猟免許取得者を増やしても、鳥獣被害の削減には結びつきにくいです。
 エアライフルについても、被害額の多い鳥獣対策には成り得ません。

 また、罠の狩猟者は、継続年数が少ないという例もあります。
 自営のための農家さんが罠免許を取得するのは、防御としては有効ですが、それとは別に、山村部で長く積極的に狩猟を続ける人材の育成も必要です。
 長くというのは、20年以上という意味です。

 漫画「山賊ダイアリー」や狩りガールなどにより、狩猟の認知度は上がり、ブームは一段落したと思います。

 そろそろ「年間20日以上有害鳥獣駆除に従事できる人」を増やすといった、具体的な方策に舵を切る必要があるのでは。
 今後10年で、60歳以上の人がぐっと減る時期に突入してしまい、被害対策や人材育成で後手に回る恐れがあります。

 それは農村部の若い人を狩猟に引き込む手立てであったり、地方都市の狩猟者を、隣接する自治体の有害鳥獣駆除に参加できるようにする方策かもしれません。

 鳥獣行政に関わっている訳ではないので、具体的な事は書けません。

 市町村役場は猟友会のナワバリがあったり、職員のマンパワーが足りない、町境を超えての調整が大変。
 県庁や環境省などでは事業や補助金制度で誘導していますが、うまく噛み合っていない印象を受けます。

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 狩猟者の年齢構成を見ていると、北海道では60歳以上の狩猟者が46%と少ないのが目立ちます。
 住んでいる場所と猟場が比較的近いのと、1つの町の面積が大きいため、地方都市でも有害鳥獣駆除ができる可能性があるからでは。
 狩猟者登録をすれば、広い北海道のどこでも狩猟できるというのも大きそうです。

 北海道以外に当てはめるのであれば、狩猟者登録(狩猟税)の低減でしょうか。
 地方税なので、なかなか難しそうですね。

 色々対策してきた結果、今の高齢化という状態になっているのですから、机上の空論でも、頭から否定せず、オープンに議論するのが理想ではないでしょうか。

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