2016年8月14日日曜日

幕末の銃砲と砲術

 静岡県伊豆の国市の江川邸で、銃砲関係の展示を見つけました。
http://www.egawatei.com/
 江川家は江戸時代の前から続く、歴史の長い家。
 幕末の江川英龍が、韮山反射炉や東京湾のお台場を作ったりしていて有名です。

  建物は関が原の戦いの1600年頃に建てられたもので、釿(ちょうな) で削ったハツリ跡が見事です。

http://www.egawatei.com/houzyutu.html
 幕末なので砲術の訓練をしていました。
 角うち扁額(へんがく) は、27m先に24cm角の板を立て、その中心の6cm角の的を狙った練習。
 相当小さいですが、なかなかの精度ですね。


 雷管式ゲベール銃(丸弾ライフリング無し、先込め)と、シャープス銃(元込め式)が展示してありました。
 角うち扁額が収められたのは1845年なので、ミニエー弾やライフリング無しだったのでしょう。
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 雷管式ゲベール銃
 全長139cm、口径18mm
 ゲベール銃は、1777年にオランダが軍用制式中として採用した先込式の銃で、幕末日本に数多く輸入された。
 また、国内でも輸入品をコピーした倣製ゲベール銃が大量に生産されている。
 発火方式は本来燧石式だが、安政年間(1854~1859)以降は、ほとんどが雷管式に改造されている。
 ゲベール銃は銃身内部に溝(ライフル)がなく、丸型弾丸を使用しているため、命中精度はあまり高くない。
 こうした銃で角打ちの小さな的を射抜くには、かなりの腕前を要したと考えられる。
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 シャープス銃
 全長120cm、口径14mm
 江川家に伝来した元込式銃。
 この小銃の銃床には「壬申百七十六番」という刻印がなされているが、これは、明治5年(壬申年)に取調べを受けたことを示すものである。
 また、銃身の刻印によって、1859年以降に製造・輸入されたものであることがわかる。
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 他にも、大砲にライフリングを刻む器具を作るため、木で機構を考えたらしい模型など、見所が色々とあります。
 こちらの方のブログの写真あり。
http://ameblo.jp/0629mami/entry-12097095252.html

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 シャープス銃は、北海道のシューティングサプライさんで新銃を扱っています。
 410番に改造したもので、23万円。
http://www.s-supply.net/products/detail.php?product_id=187

 元の銃はこちらで、.45-70口径
http://www.davide-pedersoli.com/tipologia-prodotti.asp/l_en/idt_63/rifles-1874-sharps-rifle.html
 こちらのメーカーでも作っています。
https://shilohrifle.com/

 発射の様子
https://www.youtube.com/watch?v=0h8B9P6Kue0
 銃の製作の様子
https://www.youtube.com/watch?v=aXoP1f26FDE

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