2016年9月号は鹿対策の特集でした。
http://www.jafta.or.jp/contents/shinringijuts/18_month9_detail.html
感想と引用などをで紹介します。
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・シカ管理の革新をめざして
小泉 透(森林総合研究所 研究ディレクター)
栄養状態がよければ生後16ヶ月ほどで70~80%の個体が妊娠する。
満2歳以上の妊娠率は90%を声、10歳を超えても妊娠率は低下しない。
1産1仔であるが、妊娠率が高いことから、自然増加率は20%に達すると推定される。
これは、捕獲を行わなければ、4~5年で個体数が倍になる高い率である。
静岡の富士山国有林の捕獲の取組。
2011~2015年度の5年間に、約4400haで1600頭近くを捕獲した。
特に捕獲を続けている地区(1500ha)では、5年間で743等を捕獲した結果、個体数を表す指標は1/5に低下した。
これからのシカ捕獲は、捕獲に関わる諸々の作業を合理的に分割し、それぞれの担当者に明確な作業目的を与えるという組織完結型へ進めていく必要がある。
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・シカ管理のイノベーション
シカ出現マップの開発~シカ害対策支援アプリ「やるシカない!」
江口 則和(愛知県 森林・林業技術センター)
GPS首輪と目撃情報の収集から、シカ存在ルールを突き止め、シカ対策支援アプリを開発した。
情報を入力する双方向性があり、随時更新できる。
現在は愛知県中山間部のみで利用できるが、調査データやアンケートの協力体制があれば、他地域でも作成することができる。
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・新しい捕獲体制づくりのための新技術の開発 大橋 正孝
(静岡県 くらし環境部 自然保護課)
シカ有引用自動給餌機の開発
柵とくくりわなでシカを効率よく捕獲する
くくりわな「空はじき知らず」の開発
シカ誘引式くくりわなの開発
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・安全・確実・効率のよいシカ管理のポイント
岩崎 秀志(NPO法人 若葉)
誘引狙撃法と安全確実な捕獲について。
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・ニホンジカ被害の低減 -丹沢山地の森林再生に向けた新たな取組
山根 正伸(神奈川県自然環境保全センター)
捕獲専門職員による捕獲事業
ワイルドライフレンジャーは平成24年4月に3名、後に2名追加され現在5名。
累計で739等を捕獲。
経験と技術が向上した平成27年度には計画140頭に対し300頭を捕獲。
忍び猟やライフルによる遠距離射撃等の効果的な捕獲手法を本格実施段階に移す。
森林整備とシカ管理の一体的推進
官伐前後にシカ捕獲を組み合わせて実施し、シカの集中利用や過採食を防ぎながら、光環境の改善による下草再生促進を図る。
森林整備と捕獲担当で計画と実施、シカの生息状況や植生のモニタリング状況を共有。
森林整備用に設置したモノレールを管理捕獲に活用。
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