2018年5月30日水曜日

ドローンによるシカの確認

 林業系の冊子「森林防疫 2018年5月号」にシカ関係の話題がありました。

 マルチコプター型ドローンを使った大型哺乳類センサスの可能性
 丹羽裕二(東京大学)外
 機種はDJI ファントム4
 北海道富良野の12月に実施。

 気温-2度でバッテリー30%までは15~20分。
 バッテリーの減少率から推測して最大飛行時間は約25分で、カタログの最大飛行時間28分をほとんど変わらない。
 菅沼(2017)南極に置ける無人航空機(UAV)を用いた高解像度地形情報取得の試み 地学雑誌126(1)1~24
 この参考文献にバッテリーの加温・保温の参考になる情報がある。
 飛行中の対策ではなく、予備バッテリーの保温について書いてあります。
 また、放電中にバッテリーが加熱する特性をもつことを考慮し、若干のアイドリング時間をとったとのこと。


 ファントム4のカメラ性能は、FOV94°解像度UHD4096×2160、24fps
 100mではおおよそ推測できるが、シカと確信できる鮮明さはない。
 1ピクセルあたりの長さは高度50mで2.2cm、100mで4.4cm、150mで6.6cm
 高度50mではっきりとシカを判別できる。

 高度50mでも、翼の回転音などによって驚いたり、逃げたりする行動は確認できなかった。
 マルチコプターが50m程度まで動物に接近しても逃避行動をとらないという結果は、クマや水鳥においても報告されている(Ditmer et al 2015;McEvoy et al.2015)
 
 航空法により目視外飛行を制限しているので、目視限界の約200mが最大飛行範囲では。
 今後はビデオカメラの解像度の工場や、赤外線カメラの活用に期待。

0 件のコメント:

コメントを投稿