2018年5月3日木曜日

ドキュメンタリー「イヌイットの怒り」

NHK BS世界のドキュメンタリー「イヌイットの怒り」
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/253/2145613/index.html
2018年4月13日(金) 午前0時00分(50分)
>アレッサは、イヌイットの村で生まれ育ったディレクター。長老たちから、アザラシの肉を主食とし、毛皮を売って生計を立ててきた伝統の暮らしと、大自然を敬う心を学ぶ。
>漁は生態系への脅威ではないが、“絶滅”イメージを喧伝する保護団体の政治力に押され、EUなどで規制強化が進む。
>アレッサは学生グループに呼びかけ、現代のツールを使って民族文化の発信に乗り出す。若きイヌイットたちの、学びと覚醒の旅をドキュメント。


 ドキュメンタリーの元となった映画の原題は「Angry Inuk」
 英語版のDVD
 予告版(1分14秒)

 カナダ、バフィン島南部のイカルイト
 アザラシは肉利用(食料)という面もあり、かつ皮を売って現金収入を得て、弾やガソリンを買って猟の手段ともしている。
 肉は個人のものではなく、集落で共有される。

 EUのアザラシ皮取引禁止により皮価格が下落し、イヌイットの生計が成り立たなくなった。

 伝統的な猟は規制されないが、皮の商取引で現金収入を得なければ、イヌイット経済が回っていかない。
 撃つ → 肉と皮 → 現金 → ガソリンや弾 → 撃つのサイクル。
 皮価格下落の影響で自殺者も出た。

 イヌイットは文化的に闘争を避ける傾向にある。
 喧嘩するときも、太鼓をたたき、歌で相手を皮肉する。
(現代のラップバトルに似ている)

 自然保護団体は資金的に強く、EUの議決時には白いアザラシのヌイグルミを配り、大きなモニタ付きトラックを使う。

 
 女優のエレン・デジェネレスがツイッターに上げた画像に対し、スマートフォンの宣伝のため、サムスンがリツイート数に応じて募金すると発表。
 エレンはHumane Society of the United Statesという反アザラシ猟の動物愛護団体に150万ドルの寄付を指定した。
 
 イヌイットはそういった資金はないため、SNSを使い、現状を広く知ってもらおうとする。
 Twitterでは「#sealfie」というタグをつけ、アザラシ製品を使っている写真をアップした。
 シールフィーは、セルフィー(自撮り)をもじったもの。

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 番組を見て気が付いたこと
・今でも顔に刺青(いれずみ)をする文化が残っている。
 台湾の先住民族で刺青が廃れたのと対照的。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3441010

・ウルナイフ(ulu knife)も生活の道具として広く使われている。
 Martha Stewart does not live hereという格言と一緒にナイフが壁に飾られている。
 左は大きめのナイフ

・皮を伸ばして干すのに、ベニヤ板にガンタッカーで留めている。

・最終的には昔ながらの枠と紐を使って干す

・皮をやわらかくするのは、伝統的には歯でかんでいたが、今では藁を切る押し切りのように、挟み込んで繊維をほぐしている。

・使っているライフルは、ボルトノブと先台、グリップから、レミントン700バーミントSFだと思われる。
https://www.remington.com/rifles/bolt-action/model-700/model-700-varmint-sf
 海での使用なので、錆びにくいステンレスが適している。

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