2017年7月30日日曜日

鹿杖

 口から「南無阿弥陀仏」の六体の小さい阿弥陀如来を出している、六波羅蜜寺の空也上人立像が持っていることで有名です。
http://rokuhara.or.jp/icp/
>上人が鞍馬山に閑居後、常々心の友としてその鳴声を愛した鹿を、定盛なる猟師が射殺したと知り、大変悲しんでその皮と角を請い受け、皮をかわごろもとし、角を杖頭につけて生涯我が身から離さなかったという。


 愛媛県の第49番札所 西林山 三蔵院 浄土寺にも、空也上人像がありますが、非公開のようです。
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kanko/kankoguide/rekishibunka/bunkazai/kuni/kuuyashouninrituzou.html


 京都 行願寺(ぎょうがんじ)革堂(こうどう)
https://kanko.city.kyoto.lg.jp/detail.php?InforKindCode=1&ManageCode=1000043
 寛弘(かんこう)元年(1004年)天台宗の行円上人が開く。
 子を孕んだ鹿を射止めてしまったことを悔いた上人が、常にその皮をまとって鹿を憐れみ、人々から皮聖(かわのひじり)と呼ばれていたことから、革堂と呼ばれるようになったといわれる。

 この資料が鹿杖について詳しいです。
 わが国における遊行僧の研究―鹿角の杖を持つ遊行僧を中心に―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ibk1952/48/2/48_2_884/_pdf

 親鸞聖人がつかっていた鹿杖は、T字の杖であって、鹿の角ではなさそう。

 山に生きる人びと :宮本 常一では、念仏聖について触れられています。
 もうちょっと幅広く調べないと、掘り下げられないですね。

2017年7月29日土曜日

鹿の残渣は肥料に使えるか

 鹿や猪の食肉加工施設では、残渣を遠く離れた産業廃棄物処理場に引き取ってもらうため、処理にかなりの費用がかかっていると聞きます。

http://www.maff.go.jp/j/nousin/saigai/pdf/04_chapter2.pdf
 この資料では産廃処理費を1頭15kg×キロ100円としているが、それで収まるとは思えない。
 処理場によっては内臓を出さないままの搬入が基本となっている場所もあるので、産業廃棄物となる重量はもっと多いと思う。

 肥料化できないのか調べてみましたが、偶蹄目のため、BSE関連の法律に引っかかるようです。
 
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/hiryou/pdf/manual-2.pdf
農林水産省 牛由来の原料を原料とした肉骨粉等の肥料利用に関する手続きマニュアル【第2版】<肥料生産業者向け>平成26年9月

http://www.maff.go.jp/j/nousin/saigai/pdf/08_chapter6_4.pdf
農林水産省 微生物による減量化

北海道 エゾシカ対策課 微生物によるエゾシカの減量化処理手引書
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/est/yk/genryouka.htm

 あくまで減量化であって、肥料化ではありません。
 発酵物は最終的に埋設するか、焼却処理し焼却灰を埋め立てて処理することになります。
 資源としてうまく使えれば良いのですが、なかなか難しいですね。

2017年7月28日金曜日

書籍:本当に正しい鳥獣害対策Q&A


出荷できない農産物を放置しないなどの基本的な部分が多いですが、改めて考えさせられることも多く、参考になりました。
 文章量のボリュームもあります。
 俗説への反論などもあり、読み応えがあります。

 農文協(農山漁村文化協会)の本にも言えますが、たまに農家向けの被害対策の本を読むと、新たな発見があります。

2017年7月26日水曜日

折りたたみ鋸の歯を細目に交換

 関連記事:鋸で骨を切る

 折りたたみ鋸を山に持って行きます。
 鋸目が粗く、骨へ食い込みづらいので、細目の刃にしたい。

 しかし、ホームセンターで適当に買ったメーカー不明なものなので、替刃の入手が怪しい。
 柄にはGOLD GEARと書いてあります。

 替刃に固定溝が2つ付いていて、他メーカーの折りたたみ鋸と、ほぼ同じ形をしています。
 互換性があるのか不安でしたが、店頭で刃の形を見比べてから、エイヤっと買ってみました。
 買った刃はSHARK SAWというブランド。梱包の裏には「ネオカット」という会社名が書いています。

上がシャークソー、下がゴールドギア
 骨を切った際、水で洗って掃除し、乾燥後に保管しましたが、錆が浮いてきました。
 分解して乾燥し、油を塗らないと駄目ですね。

刃を重ねてみる。
 穴の大きさと切り欠きの距離はほぼ同じですが、刃と切欠きの角度がわずかに違います。

装着後の折りたたみ状態

開いた状態

 マイナーメーカーの本体に、さらに謎のメーカーの刃をつけるという、カオスな状態です。

 長く使うのであれば、通販で取り扱っているような、シルキーSK11などの大手メーカーにしておくのが安心ですね。


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 2018年9月2日追記 
 2018年7月にシャークソーのサイトが開設されています。
 高儀は工具でそれなりに有名なメーカーです。
 
 

替刃 塩ビ・プラ・竹用 125mm 480円


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 狩猟スタイルにもよりけりですが、単独猟の場合、鉈や鋸を使って枝を払うことは、余りありません。
 巻き狩りでタツマで待つ場合、射線上の枝を切ろうとして、解体用の刃の薄いナイフしかなく、困ったことが一度だけあります。
 この鋸も解体での使用が多く、枝を切ることは少なそう。
 
 引く際にしか力を入れず、胸骨・骨盤・手足を切るだけであれば、刃だけ買って、簡単な柄を自作して軽量化するのが理想です。
 こんなT字型の製品。
 作る手間を考えると、ちょっと躊躇してしまいますが…

 サバイバルなどで使われるワイヤーソーで骨きりというのも、可能性としてやってみたい。

2017年7月25日火曜日

空薬莢の再利用

 山で撃った薬莢を回収して持って帰ってきますが、分別してゴミとして処理するのがちょっと面倒です。
 今住んでいる場所では金属ゴミとして出せばいいのでしょうが、プラ部分を切ったりする必要もありそうだったり、危険物として怪しまれる可能性もあります。

 マッシブな雰囲気を演出するわけではありませんが、とりあえず鉛筆立てにしてみました。
 見た目的にも微妙ですし、紐で縛っているだけなので安定性が悪いです。
 ロンデルとプラスチック部分では直径が違うので、ギュっと縛ると螺旋状にねじれます。

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 トイガン系のイベントで、空薬莢のつかみ取りをやっているようです。
 1回600~1000円
https://sabage-archive.com/blog/archives/5110
https://twitter.com/sergeants_heart/status/736322993907896320

 こちらでは販売もしています。
 10個で800円…
https://repmart.jp/products/list.php?category_id=2705

 銃所持者にとっては空薬莢はゴミですが、サバイバルゲームの演出アイテムとして、欲しがる人もいるのですね。

2017年7月24日月曜日

イヤーマフと電車

 普段は車での移動がほとんどの田舎暮らしです。
 久しぶりに都市部に行ってきました。

 2次元的平面な田舎暮らしに慣れていると、まず階段での移動に違和感を感じます。
 1フロアの折り返しなら問題ないのですが、駅などの長い階段は日常で出くわさないので、距離感が掴みにくくなることもあります。
 山に登るのとは違う筋肉の使い方ですし、立体的な建物構造に慣れません。

 都会暮らしの際はあまり気にならなかったものの、久しぶりに電車に乗ると、かなりうるさく感じます。
 電車や地下鉄に長時間乗ると分かっていたので、イヤーマフとカナル型イヤホンの組み合わせを使ってみました。
 遮音性が高く、音楽を聴くのに良いです。
 ただし、数時間の使用になると、耳が蒸れたり、メガネのフレームが押されて痛くなってきます。

 銃用や産業用などありますが、丸一日つけても苦にならず、頬付けの邪魔にならないイヤーマフがあるのだろうか。

2017年7月22日土曜日

サンデーモバイルカリング

モバイルカリング実施マニュアルver24.0

 北海道 釧路総合振興局
http://www.kushiro.pref.hokkaido.lg.jp/sr/srs/fukyuuka/osirase3.htm
平成23-24年度道有林釧路管理区(浜中町)での取り組みのノウハウ
平成25年10月
北海道・浜中町・(地独)北海道立総合研究機構・酪農学園大学

 北海道での林業現場を見たことがありますが、確かに伐採現場で鹿を見ることがありました。
 無雪期だと、機械が動いていない昼休みに、丸太を積み上げる土場で、重機から5mぐらいの場所に鹿がいました。
 積雪期では、搬出路の近くに鹿の足跡が多かったです。

 伐採した木の葉などを、餌資源としているのでしょうか。

 伐採事業実行中は調整が難しいですし、林道上からの発砲も条件があるので、一般狩猟者が行うのは、ほぼ無理です。
 猟期直前に伐採作業が終わった場所あたりを、重点的に歩いてみたい。

2017年7月21日金曜日

鳥獣保護区のGISデータ

 GPSやGISに表示させて、じっくり見てみたい。
 県のウェブGISでは表示できるものの、ダウンロードはできない

 環境省の自然環境調査Web-GISでは、国の鳥獣保護区しか載っていない。
http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-026.html?kind=nwp

 G空間情報センターにも無い。
https://www.geospatial.jp/gp_front/

 改めて検索しなおしてみると、国土地理院国土数値情報に鳥獣保護区データがありました。
http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/jpgis/datalist/KsjTmplt-A15.html
 ただし、データ作成年度は平成21年度

 xml形式なので、データ変換ツールを使い、shape形式に変換。
 shapeからはGPS TrackMakerQGISでkmlやgpxなどに変換できます。

 最新の鳥獣保護区を、重複してもいいので、それぞれのサイトに掲載して欲しいです。
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 個人的な課題としては、狩猟のメッシュ番号を分かりやすくしたい。
 そもそも、メッシュの格子は緯度経度などのルールがあるのか?
緯度経度からハンターマップメッシュ番号計算
http://ragwork.blog92.fc2.com/blog-entry-14.html
 ちょっと面倒ですね。
 大き目の紙地図にエイヤっと線を引くアナログな手段の方が早そうです。

2017年7月19日水曜日

兵庫県のワイルドライフモノグラフ

 兵庫県森林動物研究センターの資料です。
http://www.wmi-hyogo.jp/publication/monograph.html
 毎年作成しており、2017年7月現在で9号まで発刊されています。
 まだ全部読んでいませんが、新たな発見もありますし、狩猟に使える情報もありそうです。

 例えば8号のイノシシ特集。
 ベルリンでは訓練したハンターが公園や道路での夜間狙撃が許可されている。
 オオカミはイノシシを思ったより食べない。

 アメリカでは狩猟者がノブタを生け捕りにして、生息していない地域に放す人がいる。
 一時期のブラックバスのよう?
 対策の選択肢として避妊薬や亜硝酸ナトリウムも検討されている。

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 90から100ページを越すような報告書を毎年作れるだけの体力(職員数と予算)が、兵庫県にはあるということです。

 学会誌は敷居が高く、会員にならないと見られない論文が多いです。
 一般の農家や狩猟者でも見ることができ、比較的分かりやすい言葉で書かれているこういった資料の存在は、非常にありがたいです。

 シンポジウムの内容をまとめた号もあります。
 シンポジウムは一過性という記事も書きましたが、記録として保存し、誰でも見られる場所にある事が重要です。

 8号の中でのイタリアの研究者さんの言葉
>一般の人たちに明確に情報を伝えるとは我々の義務だと思います。
>このようなことを説明して状況を理解してもらうのは私たち研究者の仕事です。


いくら立派な議論をしていても、限られたメンバーの中で、日時や場所が限定されれば、象牙の塔の中でやっているのと同じです。

 学問の追及や学会での発表と、一般向けの普及事業は性格が違いますが、少しでもこういった取組が増えてくれればと思います。
 地域の鳥獣害に対してじっくり取り組むという意味では、それぞれの県の研究機関が、もうちょっと充実してくれるとありがたいです。

2017年7月16日日曜日

漫画:猟犬探偵(谷口ジロー、稲見 一良)

猟犬探偵 1 セント・メリーのリボン

猟犬探偵 2 サイド・キック


 稲見一良さんは狩猟小説の定番作家。
 谷口ジローさんは、夢枕獏さん原作の登山小説「神々の山嶺」や「孤独のグルメ」なども描いた漫画家。

 猟犬探しをする探偵の短編集という感じですが、原作と絵がマッチしていて、良い雰囲気です。

 漫画に登場する銃は、リブ銃身の自動銃と、水平二連。
 2巻目のサイド・キックの第1話ではポンプ式も使っているようです。
 自動銃を描写する際は、ボルトも描いて欲しかった。

 稲見一良さんは1994年に、谷口ジローさんは2017年に亡くなっています。合掌。

 稲見一良さんの小説はそれなりに読んでいますが、読んだのが10年以上前なのと、未読のものもあるので、改めて調べてみよう。

 レビューで「肩付けをとても重視するので、リュックサックを担いで山に入ることはない」と書いている人がいますが、自分は担いで狩猟をしています。

2017年7月15日土曜日

報酬金と副業禁止規定

 勤めている会社によりけりですが、有害鳥獣駆除の報酬金は副業となってしまい、服務規程に引っかかることが考えられます。

 消防団については、公務員の場合、事前に任命権者の承認を得ることによって、職務専念義務免除扱いになるようです。

 消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律第十条第一項の規定による国家公務員の消防団員との兼職等に係る職務専念義務の免除に関する政令等の公布について(通知)
消防地第46号 平成26年6月11日
https://www.fdma.go.jp/concern/law/tuchi2606/pdf/260611_chi46.pdf

 有害鳥獣駆除についても、同様の仕組みを作ると、参加しやすくなります。

 もしくは、報奨金を一旦猟友会が受け取り、狩猟税の支払いや練習用の弾代に充てるなどして、個人が直接受け取らないような仕組みがあると、副業が禁止されているサラリーマンハンターは助かります。

 参加はしたいが、報酬は受け取れないという人は、従来型の猟友会や有害鳥獣駆除ではレアケースかもしれませんが、そんな人もいるという事でした。

2017年7月14日金曜日

プラティパスの水筒

 神奈川県の鹿捕獲事業では、ペットボトルの水の音にも気をつけています。
 狩猟で山を歩く際は、水が減っても音がせず、容積が小さくなるプラティパスの水筒を使っています。

 容量500mlですが、ペットボトルのように断面が円ではないので、ちょっと小さく感じます。
 ペットボトルホルダーへの収まりはちょっと悪く、すっぽ抜けて落とさないか心配になります。
 実際には銃袋などと一緒に、腰袋にエイヤっと突っ込んでいます。

 かなり昔に買ったものなので、今だとこちらの商品になるのかな?

 プラティパス ソフトボトル 0.5L マウンテン SoftBottle 25874 水筒 1,071円
 現行モデルでは飲み口はついていないのでしょうか?

 100均でも同様の畳める水筒は売っています。
 自転車の水ボトルと同じような構造なので、水漏れがちょっと気になりますが、うまく使えばこれでも十分な気がしてきます。

 単独猟の場合、車を起点として、片道1時間以内を回ってくるイメージです。
 身につける水分はこの水筒1つか、+αで500mlのボトルのみ。
 車に戻ってきた際に、車に積んである1.5Lのペットボトルなどから補給します。

 ハイドレーションシステムも使ってみたいのですが、今は背負子に適当な袋をくくりつけているので、うまく収まらないです。
 水を飲む数分間は体力的な休憩になりますし、何時間も歩き続けることも無いので、ハイドレーションを買う必要性をあまり感じません。

2017年7月13日木曜日

ウッドストーブを試運転




 薪を試しに燃やしてみました。
 底が詰まって不完全燃焼を起こしたのか、タールっぽい煤がついています。
 密教の護摩を炊くように、リズム良く薪を補給すれば、温度を保てるのだろうか?
 うまくいかなかった場合、アウトドア用のバーナーで鉛を溶かす事にします。

2017年7月12日水曜日

ローカルな鍛冶屋

 沖縄本島の北部にあるカニマン鍛冶工房
http://kaniman.ti-da.net/e9686746.html

 石垣島の池村鍛冶
http://www.dee-okinawa.com/topics/2012/05/blacksmith.html

 沖縄には猪猟文化があるので、それに適した刃物もありそうです。


 ローカルな鍛冶屋さんは高齢化で減ってきています。

 群馬県沼田市の古見刃物店さんは、2015年あたりに引退しました。
http://www.geocities.jp/yamapon65/tisantisyou_dougu_numata.html
 
 富山の大久保さんも、かなりのご高齢です。
https://www.asahi-tabi.com/asahimachi/256/

 天竜杉で有名な金原明善が考案したという鎌を作る、静岡の片桐鍛冶店さんもご高齢です。
http://sugiten.exblog.jp/19663895/
 狩猟向けのフクロナガサ的な刃物も作っているようです。

 2006年とちょっと古いですが、かくまつとむの「日本鍛冶紀行―鉄の匠を訪ね歩く」が鍛冶屋さんについて詳しいです。
 数が減りつつある鍛冶屋なので、少しでも興味があるのなら地元にあるのか調べ、まずは訪問してみましょう。

2017年7月11日火曜日

10年未満でライフルを所持する方法を考える

 ライフル所持の許可については、大きく分けると以下の種類があると思います。

1. 日本ライフル射撃協会で標的射撃の推薦受ける。
銃刀法 法第五条の二第四項第二号
ライフル射撃競技に参加する選手又はその候補者として適当であるとして政令で定める者から推薦された者

銃刀法施行令 第十五条)
(ライフル銃の所持が許可される射撃競技選手に係るライフル射撃競技等)
第十五条  法第五条の二第四項第二号 の政令で定めるライフル射撃競技は、日本体育協会又はその加盟競技団体が主催して行う運動競技会のライフル射撃競技とする。

http://www.riflesports.jp/member/process/process_recommend/

 エアライフルの段位をとり、装薬銃の申請をするなどの手続きを踏めば、持てる可能性はあります。
 しかし、あくまで標的射撃のためであって、狩猟や有害鳥獣駆除では使えません。
 実猟や駆除で使うことを考えていますので、ここでは掘り下げないことにします。

 推薦を受けて標的射撃用のライフルを持ち、10年以降に狩猟・有害を用途に加えることはできるのだろうか?

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2. 10年以上の散弾銃所持
銃刀法 法第五条の二第四項第一号)

 通常の手続きなので省略。
 県によっては10年経っても申請を受け付けないとか、狩猟者登録の実績が必要などを求め、門前払いするという噂もあります。

 「継続して十年以上第四条第一項第一号の規定による猟銃の所持の許可を受けている者」とあるので、狩猟の実績は問われないと思いますが…
 ここでいう「猟銃」とは、銃刀法の用語としての銃であって、実際に狩猟に使うなどの意味はないと思います。

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3. ライフル銃による獣類の捕獲(殺傷を含む。以下同じ。)を職業とする者
銃刀法、法第五条の二第四項第一号)

 いわゆるマタギ的な人ですね。
 なにをもって「職業」とするのか、ちょっと曖昧です。

 10年未満の人が「俺は職業として猟師をやっていく」と決めた場合、どの段階で申請すれば認められるのでしょうか?

 岐阜の某団体の人は、猟師を職業としていると言ってもいいと思いますが、サボット銃のサベージを使っています。
 ライフルは持てないのでしょうか?
 もしくはあと数年なのでサボットで十分?


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4. 事業に対する被害を防止するため
(銃刀法 法第五条の二第四項第一号)
 この内訳として3パターンあります。

(4-1) 農林水産業等を営み、又はこれに従事する者であって、獣類による被害を受け、又は受けるおそれがあるもので、その被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とするもの

 こちらの通達に、許可について具体的に書いてあります。
 事業に対する被害を防止するためのライフル銃の所持許可について(通達)
 警察庁丁保発第29号 平成27年1月30日

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 ・事業とは
 通達には「申請者の行う農林水産業等に係る事業に対する獣類による被害について明らかにするため」とあります。
 被害の証明を市町村に書いてもらう必要があります。

 ・防除措置
 申請には防除措置等が講じられていることを明らかにする写真などを提出する必要があります。
 農地であれば電気柵、林地であれば防護ネットなどを設置し、罠や散弾銃での防除措置をしている上で被害があることを説明しなくてはいけません。

 ・ライフルが使えるエリア
 ある程度山林面積がある自治体で、ライフルによる有害鳥獣駆除を認めていないと、許可が出ません。
 許可の範囲は、市町村単位とすることを原則としているようです。


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(4-2) 鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(平成19年法律第134号)第9条第1項の規定により市町村に設置された鳥獣被害対策実施隊の鳥獣被害対策実施隊員

鳥獣被害防止特措法について
http://www.maff.go.jp/tohoku/seisan/tyozyu/tokusoho/index.html
> 実施隊員であれば、銃刀法に規定する「事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者」に該当し、散弾銃の所持経験が10年未満でも、ライフル銃の所持許可を受けることができます。

 以前は銃を役場に預けるなどなっていましたが、平成27年1月30日の警察庁丁保発第30号で自宅保管になりました。

 出し入れの簿冊をつけるなど、通常の猟銃の許可より厳しくなっています。
 当然のことですが、実施隊員に任命されなくなった場合は、ライフルの所持許可も取り消されます。

>許可をする場合には、銃刀法第4条第2項の規定に基づき当該ライフル銃を使用(携帯、運搬及び発射)できる場合を、実施隊の活動として当該実施隊の設置された市町村における有害鳥獣駆除に従事する場合又は修理等正当な理由に基づく場合に限定するなど、実施隊による鳥獣の捕獲等の実態に合わせた条件を付すこと。


鳥獣被害対策実施隊としての許可の場合、実施隊としての活動でしか、ライフルは使えないと思われます。
 狩猟はもちろん、有害鳥獣駆除や管理捕獲などでもライフルは使えないと推測します。

 別の記事にもまとめました。(特措法によるライフル所持はありえるのか

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(4-3) 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第18条の2の規定による認定を受けた鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者


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 牧場主や林業経営者であっても、積極的に狩猟免許をとり、ライフルを持ちたいと思う人であるとは限りません。

 山村部に住んでいて狩猟免許と銃を持っている人が、早くライフルを所持し、地域の有害鳥獣駆除で使えるような落とし所に持っていければ良いのですが…

 環境省の平成26年度の統計資料年齢別狩猟免状交付状況」によると、60歳以上の狩猟者は全国で65%になります。
 新規参入もあるでしょうが、20年後には狩猟者が半分になる可能性もあります。
 環境省ではニホンジカ、イノシシについて、当面の目標として、平成35年度までに個体数を半減させることを目指すことにしています。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/attach/pdf/suisin_kaigi-7.pdf


 捕獲数を上げるのであれば、農家さんの罠免許取得を増やした方が効果があるかもしれません。
 しかし、罠免許の場合、免許を返上する人もいます。
地方自治体は狩猟者減少時代をどう乗り越えればよいのか?」によると、平均狩猟従事年数は銃で40年、罠で9.2年となっています。

 ライフル所持が、鹿被害防止の解決策になるかどうかは、統計的・学問的な裏付けがありません。
 狩猟方法にもよりますが、「ライフルだったら獲れたのに」と思うことは個人的にはあります。

 毎日見回りにいけるという事さえクリアできれば、罠の方が捕獲効率が良いですが、その反面、山奥や罠が仕掛けられない場所では、銃が必要ですし、散弾銃よりライフルの方が確実性はあります。
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 全くの個人的意見ですが、ライフル所持が早まれば、10年未満の銃所持者の捕獲数底上げには繋がるでしょうし、早めに持てるという希望があれば、銃猟を辞める人が、少しでも減るのではと思います。
 ただ銃を持ちたいという人を弾く意味で、有害鳥獣捕獲に限っての使用や、実績を求められても良いです。

 シャープシューティングを実行できるような高い技術を持ったハンターは、高山帯や狩猟者が行きにくい地域などでの個体数調整のため、一定数が必要です。

 現状の法令では、まず10年経験を積み、それからライフルを持たないと、高度な技術を必要とされる捕獲現場では戦力にならないかと思います。
(標的射撃のライフル所持で経験を積んだり、サボット銃でやるという方法もありますが)

 技術の高いハンター(カラー)を育てる分母を増やす上でも、ライフル所持者はそれなりの数が必要なのではないでしょうか。

2017年7月10日月曜日

紙の会報がいらない

 転勤族なので、家財の容量の制限があります。

 大日本猟友会や県猟友会から、猟期前に会報が送られてきます。
 何度も読み返す内容ではないですし、紙媒体で配布する意味が薄いです。
 自分の場合、一度読んだ後は、スキャンして電子化し、クラウドに保存したあとに捨てます。
 クラウドに保存したものを見返すことはほぼ無いですが、「何かあったときに見られる」という精神的な安定剤として、とりあえず保存しています。

 紙媒体の発行には、それなりの経費がかかっています。

 自分のように紙媒体が要らない会員に対しては、500円ぐらい割り引いたプランが選択肢としてあると、非常にありがたいです。

2017年7月9日日曜日

Deer Initiativeの資料

http://www.thedeerinitiative.co.uk/best_practice/
 イギリスの狩猟団体Deer Initiativeの、ベストプラクティスという資料です。
 鹿の生態、銃、解体衛生など幅広く、写真も多様されており分かりやすいです。

 中には「ベテランの狩猟者だったら誰でも知っている常識だよ」という事も書かれています。
 狩猟者にとっての常識を、学問的・衛生的に裏付けした資料を、誰でも見られる場所に公開し、広く普及しようとしている事が重要です。

 口伝(くでん)や人づての情報伝達では、人の輪が途切れたり、知識を持った人が亡くなった場合、消滅してしまいます。
 また、昔の猟師の常識も、今の学問や衛生から考えると、間違った部分があるかもしれません。

 そのあたりをフォローするものとして、この資料は非常に羨ましいです。
 これの日本版を、是非大日本猟友会には作って欲しい。
 それぐらいの資料があれば、年会費数千円の払いがいがあるというものです。

2017年7月8日土曜日

Deer Management Qualificationの問題

 「野生動物と社会」学会の学会誌公開で見つけた論文、次世代の大型哺乳類管理の担い手を創出するには? : 英国シカ捕獲認証を参考に
https://www.jstage.jst.go.jp/article/awhswhs/3/1/3_KJ00010156287/_article/-char/ja/

 イギリスのシカ捕獲認証を受講していますが、問題集はDeer Management Qualificationのウェブサイトで公開されているとありました。

>問題集(安全試験24 題,一般284 題,食肉衛生一般1188題,大型獣の食肉衛生87 題)が含まれており,後述するように実際の試験ではこの中から出題された.

 このリンク先が問題集です。
https://dmq.org.uk/download.htm

 上の論文を書かれた伊吾田さん、松浦さんは北海道のシカ捕獲認証制度にも関わっていたと思います。

 北海道のシカ捕獲認証はイギリスをモデルにしており、その取り組みは評価できますが、実際に参加するのは時間・費用ともにかかるので難しいです。

 一定の技術を担保するという点で研修・認証制度は良いですが、広く狩猟者に向けた公開された資料があっても良いと思います。
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 Deer Management Qualificationの問題集には、イギリスには鹿が6種類いて、その識別をする問題とか、この地方で使える最も軽い弾頭重量は?最小口径は?などもあります。

 そういったイギリス特有の問題を省き、日本でも使える問題だけ残し、日本向けにアレンジすると面白そうです。

 猟銃の初心者講習や狩猟免許試験はありますが、試験のための試験であって、実用的ではない部分もあります。
 

 狩猟者の底上げのため、実用的かつ安全で、生態学、衛生学的にも良い問題があるのが理想でなのでは。

2017年7月7日金曜日

狩猟者の年齢構成とブーム

 2chより
 日本の職人(80)「職人を引き継いでくれる若者がいない」←これwwwwwwww
 http://tomcat.2ch.sc/test/read.cgi/livejupiter/1498501303/
 その若者と職人の間の世代の人たちは何をしていたんですかね…
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 狩猟の世界では60歳以上が65%です。
 そもそも60歳以上の世代に銃所持者が多いのは、狩猟ブームに乗って銃を持った世代だからという面があるのでは。

 ブームと捉えれば、このグラフの凹み方に納得がいきます。

 北海道大学演習林のサイトより
http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/member/Agetsuma/ResDeerdyna.htm
 江戸時代は「農具としての銃」が普及していたようですが、明治から戦後の銃規制により、専業猟師ではない銃猟文化は衰退した。

 その後、1960~1970年代に狩猟ブームがおきたものの、更新の手間や高度経済成長による開発により狩猟鳥獣が減り、ブームが収束したと考えられないでしょうか。
 「全猟」や大日本猟友会の古い会報を見れば、当時の雰囲気が分かると思いますが、そこまでは具体的に調べていません。

 都市部やニュータウン住民による狩猟・銃ブームが過ぎ去り、1980年代からぐっと減少しています。
 銃規制の強化などあったのかもしれませんが、ブームと捉えれば、ごく当然の減少ではないでしょうか。
 ブームによる凸がなければ、20万人程度でゆるやかに推移していたのでは。

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 狩猟に関するシンポジウムなどを開き、若い狩猟者を募るも良いですが、その一方で、今の40代50代の狩猟者がなぜ少ないかという分析をする必要もあると思います。

 そもそも、農山村に住み、農林業に携わっている若い人が、昔に比べて減っています。
 農業では機械化が進んで3ちゃん農業的になり、働き盛りの世代は都市部に就職します。
 鳥獣対策も高齢者が担うままになり、その次の世代はそもそも農村部に住んでいないというパターン。

 高度経済成長が一段落して、公害問題などもあり、バブルやリゾート開発などがあった時代に、10代から20代を過ごした世代が、今の40代50代だと思います。

 最初の2chの話しに戻りますが、山間部や農村では、次世代の狩猟者はそれなりにいて、技術を引き継いでいると思います(あくまで自分の見える範囲での印象ですが)
 しかし、増えつつある鳥獣に対し、対抗できるだけの人数はいません。

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 狩猟免状交付者を増やすのと、実際に動ける有害鳥獣駆除の従事者を増やすのは、似ているようで違う問題です。

 例えば東京に住んでいる人が銃を持ったとしても、趣味の狩猟の範囲で年間3ヶ月で10数回程度、狩猟者登録をした1つの県に行くぐらいです。

 都市部でシンポジウムを開き、狩猟免許取得者を増やしても、鳥獣被害の削減には結びつきにくいです。
 エアライフルについても、被害額の多い鳥獣対策には成り得ません。

 また、罠の狩猟者は、継続年数が少ないという例もあります。
 自営のための農家さんが罠免許を取得するのは、防御としては有効ですが、それとは別に、山村部で長く積極的に狩猟を続ける人材の育成も必要です。
 長くというのは、20年以上という意味です。

 漫画「山賊ダイアリー」や狩りガールなどにより、狩猟の認知度は上がり、ブームは一段落したと思います。

 そろそろ「年間20日以上有害鳥獣駆除に従事できる人」を増やすといった、具体的な方策に舵を切る必要があるのでは。
 今後10年で、60歳以上の人がぐっと減る時期に突入してしまい、被害対策や人材育成で後手に回る恐れがあります。

 それは農村部の若い人を狩猟に引き込む手立てであったり、地方都市の狩猟者を、隣接する自治体の有害鳥獣駆除に参加できるようにする方策かもしれません。

 鳥獣行政に関わっている訳ではないので、具体的な事は書けません。

 市町村役場は猟友会のナワバリがあったり、職員のマンパワーが足りない、町境を超えての調整が大変。
 県庁や環境省などでは事業や補助金制度で誘導していますが、うまく噛み合っていない印象を受けます。

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 狩猟者の年齢構成を見ていると、北海道では60歳以上の狩猟者が46%と少ないのが目立ちます。
 住んでいる場所と猟場が比較的近いのと、1つの町の面積が大きいため、地方都市でも有害鳥獣駆除ができる可能性があるからでは。
 狩猟者登録をすれば、広い北海道のどこでも狩猟できるというのも大きそうです。

 北海道以外に当てはめるのであれば、狩猟者登録(狩猟税)の低減でしょうか。
 地方税なので、なかなか難しそうですね。

 色々対策してきた結果、今の高齢化という状態になっているのですから、机上の空論でも、頭から否定せず、オープンに議論するのが理想ではないでしょうか。

2017年7月6日木曜日

北海道立総合研究機構の資料

http://www.hro.or.jp/list/environmental/research/ies/develop/publication.html
・森林管理者のためのエゾシカ捕獲の手引き
・森林管理者のためのエゾシカ調査の手引き
 これらの資料が2017年初めに公開されていました。

 被害の早期発見の重要性や、自動撮影カメラの連写は必要性、ファイル名をエクセルに張る方法など読み応えがあります。
 具体的な機器名が載っているのも、スペック比較や購入の参考になります。

 「捕獲の手引き」PDF最後にあるリンク先も面白そうです。
 リンク切れもありましたので、一部修正してみました。

北海道 アーバンディア対応マニュアル 市街地に出没したエゾシカへの対応
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/est/urbandeer/manual.pdf

北海道立総合研究機構 林業試験場 モバイルカリングの手引き
https://www.hro.or.jp/list/forest/research/fri/01sigen/pdf/mc2014.pdf

兵庫県 森林動物研究センター シカ・イノシシの捕獲推進のための技術と体制
http://www.wmi-hyogo.jp/publication/pdf/mono_monograph07.pdf

兵庫ワイルドライフモノグラフ
http://www.wmi-hyogo.jp/publication/monograph.html

野生動物保護管理事務所 森林管理者が行うシカ捕獲の手引き
http://wmo.co.jp/wp-content/uploads/H25wmo_rinya_3.pdf

農林水産省 改訂版 野生鳥獣被害防止マニュアル
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_manual/h26_03/

釧路総合振興局森林室 モバイルカリング実施マニュアル
http://www.kushiro.pref.hokkaido.lg.jp/sr/srs/fukyuuka/osirase3.htm

山口県農林総合技術センター シカ被害防護柵兼捕獲柵運用マニュアル
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a17100/tyoujuu/honntai.html

住宅地の定義

 農林水産省の資料より
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_manual/h21_03/pdf/data2.pdf
 「住居が集合している地域」とは、判例(最高裁平成12年2月24日判決)によれば、次の地域は「住居が集合している地域」に該当するとされている。
 なお、これより人家がまばらな地域であっても、当該地域に該当する場合があるので注意すること。
「人家と田畑が混在する地域内にあり、発射地点の周囲半径200メートル以内に人家が約10軒ある場所」

 裁判所の判例はこちらのようです。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51229
 平成9(あ)1299
 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律違反被告事件
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 地図ソフトのカシミール3Dの場合、ポイントのプロパティ内にある「プロキシミティ」を200にすると、地図上に半径200mの円が描かれます。

 人家と余裕をもった距離での狩猟が基本ですが、具体的な確認方法として使えます。

2017年7月4日火曜日

マンガ:山と食欲と私

 山ガール×グルメの漫画
http://www.kurage-bunch.com/manga/yamashoku/

 振り返ってみると、日帰り登山でも狩猟でも、バーナーを持っていったことが無い。
 料理下手たし、馬鹿舌なのもあるし、山に使う時間が限られているので、料理をしている時間がもったいないのかもしれない。

 「孤高の人」のモデルになった加藤文太郎は、甘納豆と干し小魚を行動食としたそうですが、そんな雰囲気に憧れている面もありそう。

 狩猟車があるし、テントも持っているので、山で一泊して狩猟というのもやってみたいですね。

 比較的多く歩いた日の総歩行距離は11.7km、累積標高955m
 ポイント間の車移動もあるので、一日は結構忙しいです。
 季節や天気、時間によって適切なポイントを選べれば、それほど歩かなくて良いのかもしれませんが…

2017年7月2日日曜日

「野生動物と社会」学会の学会誌

 2017年6月にの学会誌が公開されました。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/awhswhs/-char/ja/
 今後ワイルドライフ・フォーラム、過去の野生生物保護、Biosphere Conservationなども公開されていく予定で、狩猟の学問的な情報として非常にありがたい。

 こういった学会は、学会誌に投稿、査読、印刷し、年に一回学会で顔を合わせるイメージ。
 しかし、投稿もせず学会にも参加しない、情報を受け取りたいという潜在的なROM()ユーザーはいるはず。
 例えば自分のような狩猟者であったり、市町村の鳥獣害担当など。

 全部を無料公開しなくても良いので、年間1000~3000円ぐらいの購読料で読めるウェブベースのコンテンツがあっても良いと思う。
 年8000円の正会員しか選択肢が無いのは、ちょっとキツイ。

 この情報を森林施業、市町村の鳥獣害対策行政、狩猟者としてどう活かしていくかが課題。
 学会側もどう見られているのか気になる部分だと思う。

 スキャンしたものをOCR処理している論文がありますが、引用するのに誤字が出てしまいます。
 自動OCRの文字埋め込みは間違いが多いので、原稿から直接PDF出力したものに交換して欲しいです。

 こういった論文発表の著作権ルールが分からないですが、公的なお金で研究したものは、基本的に公開されるべきなのでは?
 学会の写真撮影禁止という意見もあるが、デリケートな問題や希少動植物の生息地などは写真撮影不可としても、基本的に公開の方向にできないものか。

 基本は学会員のためのものであり、広く一般に普及するものではないのかもしれない。
 しかし、知見は広く知られるべきだと思う。

2017年7月1日土曜日

知床データセンターの報告書

 平成28年度の報告書が公開されました。
http://dc.shiretoko-whc.com/research/report/report_h28.html

 こちらの資料が特に読み応えがあります。
 平成28年度知床国立公園エゾシカ個体数調整実施業務(PDF)
http://dc.shiretoko-whc.com/data/research/report/h28/H28_ezoshika_kotaisu_chousei.pdf

A-3 流し猟式シャープシューティングによるエゾシカ捕獲
 シャープシューティングには243winという口径を使っています。
 小口径ボルトライフルで頭や首を狙い、昏倒させるのが定番です。

>射手のライフルは243Win(口径:0.243インチ=6.17mm)、ライフル弾頭はバーンズ社のトリプルショック(銅弾)85グレイン(1グレインgrain = 0.0648 g)、火薬は1名はIMR4350を42グレイン、もう1名はIMR4895を37グレイン用いた


B-2 船舶を使用した相泊以北のエゾシカ捕獲
 海上からの狙撃には、トド撃ち経験者を入れています。
 波の動きの予測もあるので、相当難しそう。
 使っている弾は7mmWSM、300WSM、300Winmag

 積雪時期は餌資源が少なくなるため、干草やヘイキューブなどの餌で誘引するのは知っていました。
 29ページでスノーシューで足跡をつけて誘導しようとしていますが、警戒されないのでしょうか?

 また、本州でもよく使われる箱罠での捕獲実績が多いのも、意外でした。
 積雪期の餌の誘引力は凄い。
 囲い罠より設置が楽で、移動しやすいのがメリットですが、1頭しか獲れないので、使いどころを選びそう。