https://kuragebunch.com/episode/10834108156642874621
大まかなストーリーは良いですが、細かい描写が気になります。
人間関係や設定で読ませるタイプの作品ではないのだから、物の描写をしっかりして欲しいです。
狩猟をテーマにしているからといって、盲目的にありがたがるのは違うと思うので、細部に突っ込んでみます。
---------------------------------
・クマが蕗(フキ)を食べているが、猟期が1ヶ月過ぎた冬には蕗は枯れているのでは。
「ヒグマ猟は出来る期間は実質年に二ヶ月ちょっと、もう一ヶ月過ぎます。」というセリフがあります。
これは、猟期開始から冬眠するまでの約2ヶ月だと思われます。
自然相手の季節を述べている一方で、春のフキを描写するのは整合性がとれない。
・1話目の表紙の先台についているスイベルに、スリングがどう付いているのか分かりにくい。
左手を見せるための省略かもしれないが、違和感があります。
・1話目3ページ目の銃を前に持って歩いているシーン。
あの角度だと、右手がかなり厳しいです。
すぐに疲れると思う。
銃の重さを感じる作画をして欲しい。
・糞、足跡、蕗を食べた跡、ヒグマの姿を見てから装填するが、タイミングが遅すぎないか?
単独猟でヒグマを狙うのなら、もうちょっと早く装填するのでは。
・記者にエゾシカの解体を手伝わせますが、足元はクロックスだし、手を洗わせるのにゴム手袋をしていません。
ちょっと前には、レバーを生で食べるのはE型肝炎が心配と言っているのに?
・鹿の解体シーンで、皮が剥かれた頭部が出てきます。
運搬を軽くするため、現地で内蔵をだし、吊るした段階で毛皮がついています。
それなら、頭は皮を剥かずに、そのまま切り落とすのが普通なのでは。
・10年も狩猟をやっている人が、家での解体にフォールディングナイフを使うか?
狩猟に触れたことが無い人に、解体を教えたことがあります。
吊るし解体で押さえてもらうと、回転せずに、確かにやりやすい。
クレーンがあるのなら、皮を固定し、機械で引っ張って皮剥ぎしてみては。
もしくは、記者に皮を引っ張ってもらい、主人公がナイフを使うとか。
いきなりナイフを持たせるのはちょっと怖いし、皮を剥ぎ終えると、動物を殺しているという忌避感が薄れ、食用としての肉っぽくなります。
車の荷台にペットシーツを敷き、そこに肉を置くのは良い。
家で解体した場合、残滓をどうするのか?
家の立地や職業なども含め、矛盾が無いように描いて欲しい。
軽トラと見間違えましたが、1話目最後で2シーターのピックアップトラックと分かります。
トヨタ ランドクルーザーの シングルキャブっぽい。
それにしても大きい。
・2話目でタンクトップになっているのは室内だから良いとして、1話目の車内でもタンクトップは季節的におかしくないか?
記者はフードにファーがついた冬用ジャケットを着ている。
アニメのキャラの私服がいつも同じなのは、動画作成が大変だし、視聴者もそういうものだと知っている前提で見ている。
しかし、現実世界を描いているのなら、もうちょっと気をつけていいのでは。
北海道の11月1日の気温の例
人に合う時間を18時とすると、比較的暖かい函館でも9度、苫小牧では8度です。
さすがにタンクトップは無いのでは。
・リアリティの追求としては、100kgの仕留めたエゾシカをどうやって回収したのか。
車にはクレーンがついていますが、それだけで回収できるものか?
北海道に住んでいた時、単独猟でエゾシカを撃ったことがありますが、とても一人で引っ張れる重さでは無かったです。
---------------------------------
指トリガー警察や○○警察のように、むやみに指摘して非難する意図はありません。
ライフルの口径の選択や、どうして狩猟をはじめたか、普段の仕事はなど、掘り下げる箇所は多いです。
現実世界を描いているからこそ、小物は実際にあるものを描いて欲しいし、季節や植生、動物の行動なども矛盾が無いようにして欲しい。
自然や動物を描くのなら、季節や道具に気を配ったほうが、より没入感が得られるし、その描写が雑だと、「何でもありの世界観か」と冷めます。
---------------------------------
SF世界、もしくが現実世界が舞台であっても超能力ものであれば、細かいことは言いません。
ガンダムで重いドムがホバー走行しているのは、ミノフスキー粒子のある世界だから。
スターウォーズで真空中で音が聞こえても、そういう設定だから。
アニメで登場人物が同じ服なのも、作画が大変だからという設定を、視聴者も分かっている前提で見ている。
しかし、現実世界ベースの作品では、物や設定を甘く描写すると、とたんにリアリティが失われていきます。
弱虫ペダルやデカスロンのように、誇張した描写は良い。
それにしても、ある程度連載が進んで、読者が受け入れられる準備が出来てから。
サザエさんやドラえもん的世界で、年を取らないのもいい。
あれはディフォルメされたキャラクターであり、イベントや人物関係を描くのが主体で、道具のディティールや人物像の掘り下げ、年を重ねる描写は求められていない。
それにしても、冬は波平さんはコートを着ているし、ちびまる子ちゃんはセーターを着ていたと思う。
現実ベースの漫画では、小道具もちゃんと描写している印象があります。
例えば、登山の「岳」「ゆるキャン△」、医療の「ブラックジャックによろしく」など。
専門家が見れば細かい突っ込みどころはあるかもしれませんが、パッと見は分からない。
---------------------------------
自然・動物をテーマにした漫画には、このあたりを気をつけて欲しい。
自然:季節の設定や植生に矛盾が無い。
ゴールデンカムイのような1枚の風景画は、ディフォルメされた漫画ではちょっと馴染まない場合もある。
そもそもゴールデンカムイは明治の北海道を舞台にしているが、マクガフィンを探す話であって、リアリティは求めていない。
動物:大きく見える誇張やディフォルメは良いとして、骨格的にちゃんとしているか。
道具:実際にある道具を出す。
---------------------------------
このあたりの背景をどう描くのか期待。
・20歳でなぜ銃を所持しようと思ったのか
・家族や周囲の反対は
・出身地や育った環境
・大学に行っている間に免許を取ったのか。
学部や周りの反応は
・主となる職業と現在の居住環境
・ライフルの種類や口径をどう選んだか
・ヒグマを狙うようになるキッカケ
・狩猟以外の趣味は
狩猟のみを描写した結果、話の展開が狭まってしまったのが「東京カリニク鉄砲隊」だったのでは。
どう考えて装備を選んだのかや、登場人物の日常生活なども描かないと、キャラクターや物語に奥行きが生まれません。
海外の含め、狩猟動画が気軽にyoutubeで見られる時代に、マンガでしか表現できないことは何か。
このあたりの背景をどう描くのか期待。
・20歳でなぜ銃を所持しようと思ったのか
・家族や周囲の反対は
・出身地や育った環境
・大学に行っている間に免許を取ったのか。
学部や周りの反応は
・主となる職業と現在の居住環境
・ライフルの種類や口径をどう選んだか
・ヒグマを狙うようになるキッカケ
・狩猟以外の趣味は
狩猟のみを描写した結果、話の展開が狭まってしまったのが「東京カリニク鉄砲隊」だったのでは。
どう考えて装備を選んだのかや、登場人物の日常生活なども描かないと、キャラクターや物語に奥行きが生まれません。
海外の含め、狩猟動画が気軽にyoutubeで見られる時代に、マンガでしか表現できないことは何か。
にほんブログ村
どうも。
返信削除【狙って】射撃・狩猟のメモ帳【撃つだけ】http://3697000spg3.blog.fc2.com/
の管理人です。
確かにフキのシーンや銃の手首、装填タイミングと解体時の首を切断しないあたりが不自然ですね。そのあたりは漫画に突貫工事感がありますね。
とりあえず今後に期待です。