2017年6月26日月曜日

ショットガン用のマズルブレーキ

 12番スラッグのリコイルは、かなり強いです。
 リコイルを減らす方法の1つ、マズルブレーキ(muzzle brake)を調べてみました。
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 イギリスやアメリカの幾つかの州では、射手の聴覚保護のため、サプレッサー(Suppressor)、サイレンサー(Silencer)が装着可能です

 日本の銃刀法では、消音器は装着はもちろん、所持も許可されていません。

 銃砲刀剣類所持等取締法
(消音器等の所持の制限)
第十条の七  第四条第一項第一号の規定による許可を受けた者は、許可に係る猟銃又は空気銃に取り付けて使用することができる政令で定める消音器、弾倉又は替え銃身を所持してはならない。


 銃砲刀剣類所持等取締法施行令
(所持を制限される消音器等)
第三十四条  法第十条の七 の政令で定める消音器、弾倉又は替え銃身は、それぞれ次に掲げるものとする。
一  消音器にあつては、専ら銃砲に取り付けて使用するもので、内閣府令で定めるもの


銃砲刀剣類所持等取締法施行規則
(消音器)
第八十九条  令第三十四条第一号 の内閣府令で定める消音器は、銃砲の発射音を減殺するために製作された器具で、消音効果のあるものとする。

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 銃関係の資料で出てくるコンペンセイター(Compensator)は、マズルブレーキの一種です。
http://www.saama-japan.com/howto/kyoka01.html
 日本猟用資材工業会の資料
>消音装置のある銃は許可されない。もっぱら減音効果をあげるためのものを指し、パターン調整とか反動防止を目的としたポリチョークとかカッツコンペンセーターは構わない
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 サプレッサーは幾つかの密閉された部屋(バッフル)で音のエネルギーを抑えますが、マズルブレーキはガスの方向を変えてリコイルの反動や銃身の跳ね上がりを防止するもので、音は小さくなりません。

 ということで、マズルブレーキは取締りの対象にならないと思います。
 (あくまで筆者の解釈なので、この文章に基づいて行動した結果については、自己責任になります)
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 散弾銃に装着可能なマズルブレーキを探してみました。


 チョークのネジを使うタイプ
Remington Tactical Muzzle Brake
http://www.choketube.com/choke-tube-style-details-R.php?tactical-muzzle-brake-choke-tubes&cts=25

Item #84020 Cylinder Diameter .730 $119.95
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 銃身の外側に取り付けるタイプ。
Grizzly Gunworks(GGW)
http://www.grizzlygunworks.com/muzzle-brakes.html

http://shop.grizzlygunworks.com/Remington-870-Magpul-Shotgun-Muzzle-Brake-12-Gauge-Clamp-On-870MAGPULMUZZLEBRAKE.htm
 価格$225.00
 リコイルを60%減らせるとか。

Defcon 1
Ghost Protocol
Grizzly
Hunter
 デザインが4種類ありますが、ど性能が違うのかを具体的に示して欲しい。

 レビュー記事
https://www.thetruthaboutguns.com/2014/04/joe-grine/gear-review-grizzly-gunworks-ltd-muzzle-brakes/



Witt Machine  Clamp On Shotgun Brake
価格$115.00
銃身先端の外形と、先端部から1/2インチの場所を測るセミオーダー
https://www.wittmachine.net/clamp-on-brakes/

Kahntrol Solutions 価格:$ 149.95
https://kahntrol.com/clamp-on-muzzle-brake/


 金属の切削加工が出来れば自分でも作れそうな気がしますが、高圧の発射ガスが抜ける形状や穴の配置など、設計ノウハウが難しそうです。



 2019年6月追記。twitterを見ると、輸入して使っている人が数名いるようです。
 跳ね上がりをかなり押さえている印象です。

 サボット弾の場合、Grizzly Gunworksのマズルブレーキはサボットが干渉し、集弾に悪影響を与えるという情報がありました。
 Witt MachineをAボルトで使っている人は大丈夫のようです。
 ただし、Grizzly Gunworksは海外発送に対応していますが、Witt Machineは送ってくれないそうです。


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 装着することでデメリットもあります。
(1) 燃焼ガス(音)が前方に行かず、上や後ろに拡散するため、射手の感じる音は、むしろ大きくなります。
http://precisionrifleblog.com/2015/08/07/muzzle-brakes-sound-test/
 デシベル数が10近く上がり、射手にとって2倍以上の騒音になるものもあります。

(2) 発射ガスが膨張する際にでリコイルが後ろ向き発生し、その後、ガスがマズルブレーキを通過して前向きの力が発生するため、スコープに瞬間的に前後の衝撃が加わります。
 スコープにとっては、厳しい環境。

(3)長くなることで取り回しが悪くなり、全体重量が重くなる。
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 狩猟であれば1発で決まり、次弾を装填している間に逃げられる場合が多いです。

 鳥を対象としないのであれば、スラッグ銃やサボット銃は将来的にライフルに置き換わると思います(許可が出るかは別問題として)

 買い換えるのであれば、スラッグ銃にそこまで費用をかけてカスタムしなくてもいい。

 ライフル所持までの10年間を充実させるには、それなりの精度と信頼性があれば十分。
 それなりの基準が色々ですが、効果のハッキリしないものに2万円はちょっと高い。

 ラトビアのスラッグ射撃やランニングボア競技で、何かを銃口部に付けています。
https://youtu.be/3qWjQoU-O18?t=21s
 サイレンサーかな?
 ロシア・東欧のスラッグ射撃の器材が知りたいです。

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