ヒグマによる人間への襲撃、流れ星銀河的な捨て犬、親子関係をあわせた小説。
映画「ザ・ワイルド」の雰囲気もある。
自ら好きで狩猟をやっている主人公ではないので、いまいち感情移入がしにくい。
文字のみで自然やアクションを描写するのは難しい。
まして、読者が行ったことが無い場所ならなおさら。
以下、気になった点をいくつか。
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親がライフル、息子がエアライフルという組み合わせだが、そのペアでわざわざ北海道まで狩猟に行くかな?
P30で牧草地でエゾシカを狙うが、PCPエアライフルでも、どこまで近づいたら致命傷を与えられるのやら……
親はヒグマを狙いに行くが、わざわざ国立公園や鳥獣保護区に入って違法にやらなくても、銃猟可能な地区にいるだろうに。
何年も北海道に行っているのなら、ガイドに頼む手段もある。
P93> そもそも遠距離用に整えられた装備が接近戦で強い訳ではない。至近距離で弾が飛び散る散弾銃のほうがまだ相応しかった。
ヒグマ相手では「飛び散る」ような散弾ではなく、スラッグ弾では。
あまり興味が無いまま、親に薦められてエアライフルを所持したから、知識は曖昧という設定かもしれませんが。
P222> 上着のポケットに入れておいたファイヤスターターを、背後の焚き火に投げ入れた。
想像になるのですが、粉にせず、長方形の個体のまま焚き火に投げ入れても、劇的な反応は起きないのでは。
P227
チワワが枝から枝へと飛び上がり登っていく。
いや、チワワじゃ無理だろ。
そもそも普通の犬でも厳しいと思う。
P228
頭から落下。
いくら極限状況でも、頭から落ちるリスクをとるか?
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道路まで脱出するのにどれぐらいかかるのか不明ですが、それを急がず、熊と戦う選択肢を選ぶまでの心理描写が薄く、主人公の行動に感情移入できません。
親とうまくいっていなかったら、なおのこと、遺体を置いて逃げれば良かったのでは?
自力で逃げられないのなら、大きな焚き火をして救助を待つでもいい。
そして、反撃する方向だったら、なぜ木を削った槍をもっと作らない。
その辺の主人公の行動にモヤっとして、いまいち没入して読めませんでした。
機会があったら漫画の「流れ星銀河」を読み返してみたくなった。

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